技術・家庭科学習指導案
1 題材名 本立ての製作「A技術とものづくり(3)アイ」
2 題材について
(1) 題材観
指導要領の技術・家庭科の目標は,「生活に必要な基礎的な知識と技術の習得を通して,生活と技術のかかわりについて理解を深め,進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。」とある。具体的には,「製作などの実践的・体験的な学習を通して,基礎的な知識と技術を習得させること。」となっている。
そこで,技術とものづくりの領域の「材料に適した加工法を知ること。」や「工具や機器を適切に使い,製作品の部品加工,組立て及び仕上げができること。」の具体的な教材として,1年生では「本立ての製作」を行うことにした。
この題材を通して,作品の完成するまでの加工工程を理解させるとともに,主な木工具や機械の使い方を学習させたい。また,作業の安全を図るとともに,正確で丁寧な作品製作を心がけ,全員に完成の喜びを味わわせたい。
(2) 生徒の実態 (在籍38名)
@ 題材についての実態調査
事前アンケート調査
・あなたは,次の道具を知っていますか。また,使ったことがありますか。
さしがね |
知って |
いる18名 |
ない20名 |
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使ったことが |
ある13名 |
ない25名 |
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両刃のこぎり |
知って |
いる38名 ない0名→ |
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使ったことが |
ある34名 ない4名→ |
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げんのう |
知って |
いる38名 ない0名→ |
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使ったことが |
ある38名 ない0名→ |
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かんな |
知って |
いる33名 ない5名→ |
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使ったことが |
ある 7名 |
ない31名 |
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き り |
知って |
いる36名 ない2名→ |
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使ったことが |
ある36名 ない2名→ |
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・あなたは,木を使った工作が好きですか。
好き31名 |
やや好き6名 |
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嫌い1名↑
・あなたは,木を使って物を作る学習は,これから先の生活で役に立つと思いますか。
思う32名 |
やや思う5名 |
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思わない1名↑
A 考察
ほぼ全員の生徒が木材加工の学習を肯定的に捉え,将来の生活に必要な知識や技能だと認識し,授業に臨んでいることがうかがえる。その理由として,各家庭にも工具があり日曜大工などを通してその技能が役立っていること,身近な工具を用いて自分たちでも比較的簡単に作品の製作ができること,などが考えられる。
小学校の図画工作の授業では,伝言板・オルゴール・ビー玉迷路・CDラックなどを製作し,そのとき,糸のこ盤・両刃のこぎり・げんのう・きり・紙やすりなどを使用している。しかし,それらの正しい使い方や安全に対する知識は少なく,木材加工の授業を通して教える必要性を感じる。
(3) 研究テーマとの関連
15年度研究テーマ
生徒一人一人が「確かな学力」を身につけることができるように,基礎基本の徹底(定着)を図る手だてを模索する。 |
技術分野の目標の中に,「実践的・体験的な学習を通して,基礎的な知識と技術を習得し,それらを適切に活用すること。」が謳われている。「本立ての製作」では,木工に必要な基本的な工具や機械の知識と使い方を,製作を通して理解させ,生活の中で活用する能力と態度を育てたい。
3 題材の目標
・木工具や機械を適切に使い,本立ての部品加工,組立て及び仕上げができる。
観 点 |
到 達 目 標 (評価基準) |
関心・意欲・態度 |
加工技術に関心を持ち,目的や条件に応じて,工具を適切に活用しようとしている。 |
創意工夫 |
材料の特徴と加工の目的に応じて,工具の仕組みを生かした使い方を工夫しようとしている。 |
生活の技能 |
木工具と板材を用い,本立てを製作することができる。 |
知識・理解 |
製作品に適した加工工程と加工技術に関する知識を身に付ける。 |
4 指導計画(20時間扱い 本時14/20)
時間 |
学習の目標 |
学習内容・活動 |
観点別評価の流れ(評価方法) |
1 |
木材と生活の関連について考えることができる。 |
木材と生活について調べる。 |
〈知識・理解〉 木製品の特徴や構造を説明できる。(発表) |
2 〜 5 |
板材を用いた木製品の設計と準備をすることができる。 |
板材を用いた木製品の設計ができる。 木製品の製作の準備ができる。 |
〈生活の技能〉 キャビネット図を正しくかくことができる。(キャビネット図) 〈生活の技能〉 加工に必要な工具や機械を選ぶことができる。(ノート) 〈知識・理解〉 製作工程に従って,作業工程が説明できる。(ノート・発表) |
6 〜 19 |
木製品の製作をする。 |
木工具や機械を使い,木製品の製作がができる。 ○木取り ○部品加工 ○組立て ○塗装 ○評価と反省 |
〈生活の技能〉 製作品に応じたけがきを,さしがねを使ってできる。(板材) 〈生活の技能〉 のこぎりを使い,繊維方向に応じて横びき・縦びきができる。(板材) 〈関心・意欲・態度〉 ベルトサンダを安全に使い,加工精度を高めることができる。(板材) 〈創意工夫〉 仮組立てと部品検査をし,必要個所の補正をすることができる。(板材) 〈生活の技能〉 組立てけがきができる。(板材) 卓上ボール盤を使い,下穴をあけることができる。(板材) げんのうを使い,正確に組み立てることができる。(作品) 〈生活の技能〉 紙やすりを使い,素地みがきができる。(作品) 乾燥させ,研磨し,刷毛塗りを繰り返しながら仕上げることができる。(作品) 〈関心・意欲・態度〉 学習内容を反省し,自己評価ができる。(自己評価カード) |
19.5 〜 20 |
木材の役割と利用について考える。 |
木材の役割と有効利用について考えることができる。 |
〈関心・意欲・態度〉 木材の役割を考え,進んで木材資源保護と有効利用について発表できる。(発表・ノート) |
5 本時の指導(14/20)
(1) 本時の目標
・げんのうを正しく使い,くぎと接着剤を用いて,板材を正確に組み立てることができる。
・安全に留意し,作業を行うことができる。〈生活の技能〉 〈生活の技能〉
(2) 展 開
課 程 |
学習内容と生徒の活動 |
時配 |
教師の支援・留意点・評価 ◎評価(評価方法) |
資 料 教 具 |
準備 |
あいさつをする。 材料と工具がそろっているか確認する。 |
3 |
各班の材料係と工具係に準備させる。 |
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課題の確認 |
本時の課題 本立ての組み立てをしよう。 |
2 |
前時までの作業の流れを確認しながら,本時の課題を説明する。 学習課題に興味を抱かせる。 学習課題が把握できたか,観察を通して確認する。 |
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作業学習1 |
底板と側板の接合の仕方を知る。 協力して作業を行う。 |
5 15 |
生徒を前に集め,示範しながら説明する。 げんのうの頭の使い分けや仮打ちなど,注意を促す。 部材の繊維方向に注意させる。 接合の仕方がわかったか,観察や質問を通して確認する。 作業の安全を徹底させる。 班で協力させ,部材を支え合いながら作業を進めさせる。 机間支援で,アドバイスと励ましを行う。 ・げんのうの使い方と仮打ち ・木工ボンドの使い方 ・直角度 失敗した際には,早めに教師に相談させる。 ◎正確に板材を組み合わせ,直角なくぎ接続ができたか,確認する。 (作品) ◎直角度を確認し,修正させる。 (さしがね) |
材料 げんのう くぎ 接着剤 さしがね ペンチ |
作業学習2 |
背板の接合の仕方を知る。 協力して作業を行う。 |
5 15 |
生徒を前に集め,示範しながら説明する。 接合の仕方がわかったか,観察や質問を通して確認する。 げんのうの頭の使い分けや仮打ちなど,注意を促す。 作業の安全を徹底させる。 直角度を確認しながら,作業を進めさせる。 班で協力させ,作業を進めさせる。 机間支援で,アドバイスと励ましを行う。 ・げんのうの使い方と仮打ち ・組み合わせ 失敗した際には,早めに教師に相談させる。 ◎正確に板材を組み合わせ,直角なくぎ接続ができたか,確認する。 (作品) |
材料 げんのう くぎ 接着剤 さしがね ペンチ |
まとめ 次時の予告 |
本時の学習のまとめをする。 材料・工具の後片付けおよび清掃をする。 次時の学習課題を知る。 あいさつをする。 |
5 |
発表や挙手による確認を行う。 材料係・工具係・清掃係・教科係など,全員で仕事ができるようにする。 |
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