第2学年 技術・家庭科学習指導案1.題材名 「家族と家庭生活」(家庭生活と地域との関わり)
2.題材について(1)題材観 21世紀に入った今,科学技術の発達・情報化・国際社会の進展・少子高齢化などにより社会は大きく変化している。その中で家族は核家族化が進み,高齢者と同居する家庭が少なくなってきている。よって,同世代の中での生活が多くなり,子供や高齢者と接する時間が少なくなってきている。高齢者と同居している場合でも価値観や生活習慣の違いから,生活を共にする場面は少ないのが現状である。
このように社会の変化が著しく,価値観も多様化している状況の中で人と人との関わりを無くしては生きていくことができないこと,地域社会にはいろいろな世代の人,生活する上で様々な配慮が必要な人が暮らしていること,そのような人たちを自分とは違うからよくわからない,と拒絶するのではなく,協力したり支え合ったりすることの大切さを知ることが必要であると考える。
さて,子どもたちにとって「食べる」ということは,生命維持に欠かすことのできないものであり,食べることによって安らぎと楽しさを感じるものである。また,共に食べることによって人と人とのふれあいがスムースに行われるという良さもある。子どもたちが大人になったとき,懐かしい思い出が食を通してよみがえってくることが多いのはそのせいではないかと思う。しかし,両親のとも働きや子供の塾通いが原因で,家族がバラバラに摂る個食傾向が見られる家庭がでてきている。
このように現代の社会の中でなおざりにされている『食』と『人と人とのふれあい』について子どもたちに身近な問題として考えさせる必要があると考える。
(2)地域の実態 A町は丘陵地帯を開発して造成された新興住宅地と,兼業・専業農家を主とした地域から成り立っている。本校の学区は前者の新興住宅地が中心である。校舎は丘陵の頂上部にあり,周囲は豊かな自然に恵まれている。生徒の家族は,核家族が多く,高齢者とのふれあいが少ない傾向にある。
本校から徒歩2〜3分の場所に,昨年6月介護老人施設が設立され,いろいろな場面での交流が期待されている。
このような地域の特性を活かし,高齢者を訪問したり,招待したりということを積極的に行いたいと考えている。また,これからの開かれた学校作りをしていくための一つの方法として,今回の実践を2年生の授業の中で位置づけた。
ここ数年,流入人口が大幅に増加し,住民の考え方は多様化しているが,保護者は教育環境の整備に積極的,献身的に関わってくれている。
3.指導目標 地域の人々の生活に関心を持ち,高齢者など地域の人々と関わることができる。
4.指導計画 家庭生活と地域(B−6) 7時間
○会食の計画を立てる 2時間 実践1
○会食の準備
1時間
○会食をする 2時間 実践2
○交流の様子をまとめる 1時間
○発表と反省 1時間
5.授業実践 (実践例1) 指導略案
(1) 目標 お年寄りを招待する計画を立てよう
(2) 展開 (1・2/7)
過程目標 |
学習内容と活動 |
時配 |
学習活動への支援と評価 |
資料 |
本時の目標をつかむことができる。
係を決めることができる。
決まったことを発表することができる。 |
○本時の学習目標を確認する。 |
5 |
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プリント
計画表 |
お年寄りとの会食の計画を立てよう |
○年をとったときの身体の変化につ いて知る。
○計画の概要を聞く。
○各班ごとに係を決める。 司会進行係・・・会の司会進行 おやつ係・・・おやつ作り,配膳 お茶係・・・お茶の用意 テーブルセッティング係・・・ テーブルの上を華やかに演出 案内係・・・お年寄りの案内,介助 会話係・・・質問する内容の準備
○係ごとに集まって計画を立てる。
○各係ごとに決まったことを発表する。 |
25
10
30
20 |
○高齢者の身体の変化について食べるということを中心に話す。 ※高齢者の身体の変化について理解しているか発表により評価する。(知識・理解) ○計画の日時,内容など,計画の概要を話す。
○高齢者の立場に立って計画が立てられているか発表により,評価する(創意・工夫) |
(実践例2)指導案略案
(1)目標 お年寄りとのふれあいを楽しむことができる。
(2)展開(4・5/7)
過程目標 |
学習内容と活動 |
時配 |
学習活動への支援と評価 |
資料 |
学習の確認と準備
会食
後かたづけができる |
1.計画に基づいて準備する。 ○場の設定 ・座席表を置く。 ・花を飾る。 ・ランチョンマットを準備する ・おやつの準備をする。 ・おやつの準備をする。
お年寄りと会食会をしよう。
2.会食をする。 ○お年寄りを会場へ案内する。
○会食の流れ @はじめの言葉 Aおじいちゃん,おばあちゃん自己紹介(名前や年齢を一人ずつ言ってもらう) B班の中で自己紹介(案内係が誘導) Cおやつを配布(そばクッキー,茶巾絞り) ・おやつ係がおやつを配る。お茶係はお茶の準備をする。 Dおやつを食べながら歓談 E○×ゲーム F各班で歓談 Gおじいちゃん,おばあちゃんの感想を一人ずつ感想を言ってもらう Hおわりの言葉
3.使った食器や用具を片づける。 ○班ごとに協力して手早く行う。 |
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○自分の担当の作業は終わったら,まだ準備の終わっていないところを手伝うよう声かけをする。
○言葉だけでなく,手を添えて案内するように声をかける。
○とまどっている班には,会話がスムーズに進むように援助する。
※ふれあいのための工夫がされ,なごやかに会食しているか,会話や雰囲気から評価する。(創意・工夫,関心・意欲・態度
○用具や器具,使用教室の後始末を協力して行うよう助言する。 ※後かたづけができたか。(生活の技能)
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