1.題材名  食物「これからの食生活を考えよう。」〜環境にやさしいかたづけ方〜

2.題材について
(1)題材観
 近年、世界各地から報告されている環境問題は、大量生産や大量消費を繰り返す社会のシステム、使い捨てなど便利な生活を追い求めるライフスタイルの結果である。環境問題の本質的な解決は自分の行動と環境の関わりを認識し、地球環境を破壊しない暮らし方を考えていくことである。また商品選択に際し、より安くよりよい商品を選択するだけでなく、環境にやさしい商品の購入、消費、廃棄を考慮に入れることも必要であると考えられる。
 これまでの食物学習において、食事の大切さや栄養素のはたらきなどの知識や、調理の技能は深まり、食生活全体への関心が高まってきた。そこで、環境問題への関心はあるが、環境を配慮した行動をなかなか実践できない生徒たちに、身近なゴミや水の問題について情報を提示したり、簡単な実験をすることで、自分たちが環境問題に関与していることを認識させたい。そこから、日常生活のなかで生活環境を守る意識と自覚、更には実践力を育てていきたい。

(2)生徒の実態
@食事を作ることがあるか。
  食事のかたづけをするか。
A地域のゴミの収集日を知っているか。
B環境問題に関心があるか。
Cどのような問題に関心があるか。
河川の汚染、オゾン層破壊、ゴミ問題、地球温暖化、ダイオキシン、森林破壊
(3)指導観
 環境問題の一つに、河川の汚れから生じる飲み水の問題がある。河川を汚すものは、工場からの排水が影響しているように考えられがちだが、実は生活排水の影響の方が大きい。原因は合成洗剤の使用や、家庭料理に使われた油や調味料、残菜が考えられる。そこでパックテストを使用した実験を行うことで、何も考えずにそれらを流してしまった時と、ある工夫をした時とでは、水の汚染度にどれだけの違いが出るかを観察させたい。毎日の生活のなかで、一人一人のちょっとした工夫や行動の積み重ねが、環境を守ることにつながっていくことに気付かせ、日常生活での実践につなげていきたい。

3.題材の目標
・自分の身近にある環境問題に目を向けることができる。(関心・意欲・態度)
・環境に配慮した実践にはどのような工夫が必要か、考えることができる。(創意工夫)
・環境を守るために自分ができることを考え、生活に生かすことができる。(生活の技能)
・様々な環境問題を知り、どのようなことが原因となっているか考えることができる。(知識・理解)

4.指導計画 これからの食生活を考えよう(5時間扱い)
・食生活と環境について 1時間
・環境にやさしいかたづけ方 1時間(本時2/5)
・環境新聞作り 3時間

5.本時の学習
(1)目標
@ 水の汚濁実験に進んで取り組むことができる。(関心、意欲、態度)
A 課題を解決するための実験ができる。(技能)
B 環境にやさしいかたづけ方を理解することができる。(知識、理解)  

(展開)
時配 学習活動と内容 形態 教師の働きかけと配慮事項 資料
1.調理の時に起こる環境問題やそこから起こる疑問点をあげ、それに対する実験方法が考えられていることを確認する。 グループ




・問題解決解決のための実験であることに気づくよう促す。 

・COD使用方法について触れておく。

ワークシート
COD
黒板用
グループ用
環境にやさしいかたづけ方を知ろう
2.各グループで立てた計画に沿って実験を進める。

【各グループの実験内容】

洗剤を使ったときの排水
・台所用洗剤を標準量で使った場合
・台所用洗剤を3倍に薄めて使った場合



ドレッシングを使ったときの排水
・そのまま洗った場合
・新聞紙でふき取ってから洗った場合



整髪料を使ったときの排水
・そのままで水洗いした場合
・タオルで拭き取ってから水洗いした場合

グループ






・実験内容の確認をする。

・実験がスムーズに進むよう、戸惑っている生徒に支援を行う。


○進んで実験に取り組んでいるか
(関心、意欲、態度)


○工夫して実験に取り組んでいるか。(技能)


・実験結果からわかったことをまとめ、発表の準備をするよう促す。




コップ
スポンジ
台所用洗剤
ボール
COD

コップ
ボール
スポンジ
パンスト
三角コーナー
ドレッシング
COD

コップ
タオル
スポンジ
整髪料
ボール
COD
3.実験結果をまとめ解決方法をグループで話し合う。 グループ ・実験が遅れたグループはまとめがスムーズに始められるよう、支援する。
4.話し合ったことを発表し、黒板に掲示する。 グループ ・自分で選択できなかった問題点は友達の発表を参考にするよう促す。
5.ほかのグループから学んだかたづけ方をワークシートにまとめながら聞く。 グループ ・各班の発表から環境にやさしいかたづけ方のポイントをまとめるよう助言する。
6.本時の学習の自己評価をし、感想をまとめる。 ・日常生活において、本時の学習
でわかったことを実践するよう促す。
○後かたづけをするときの工夫がわかったか。(知識、理解)
○楽しく実験できたか。(関心、意欲、態度)
掲示用紙
マジック

ワークシート