第52回全日本中学校技術・家庭科研究大会
第52回関東甲信越地区中学校技術・家庭科研究大会 千葉大会
第8分科会「D 身近な消費生活と環境」
会場:千葉市立轟町中学校
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・本時の題材
(1年生)「買い物名人になるためには、どのようなことを考えて選べばよいだろうか」
(3年生)「消費者の責任を果たすために、、どんな行動をとったらよいか」
・授業の概要
「消費生活と環境」の基礎的基本的な知識・技能を身に付け,主体的に適切な意思決定ができる生徒の育成を目指し,1年次では身近な商品を購入する直接体験から価値判断する場を設定し,意思決定の流れを学ばせた。3年次では,これからの社会に責任を持った消費行動とはどのような行動か,考えさせる学習を展開した。(2学年同時展開)
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3年生の授業 (消費者の声で改良された商品の説明) |
3年生の授業 (消費者として社会に責任を持つことについて考える) |
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1年生の授業 (オレンジジュースを選ぶ) |
1年生の授業 (商品購入の意思決定の流れを確認する) |
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・授業者の反省(千葉市立轟町中学校 迎 寿美 教諭・千葉市立松ヶ丘中学校 矢内 美佳 教諭)
意思決定の流れは,これからの生活で必要不可欠。将来に向けて個人から社会へ視野を広げていける生徒を育てていきたい。(矢内)
消費者の5つの責任や,労働者や社会,環境への影響も考えさせられるようにTシャツを扱った。購入の際,個人の視点だけでなく社会への影響も考えて,これからの消費を変えていこうとする姿が見られた。(迎)
・提案・発表(千葉市立花園中学校 内藤 利枝子 教諭)
問題解決的な学習,発達段階に応じた消費行動の意思決定に関する学習,学習ノートの工夫,話し合い活動の充実に向けた工夫等の説明があった。
・質疑応答
Tシャツを選んだ理由や「D 消費生活と環境」を3年間に分けて指導計画を立てた理由について質疑応答が行われた。
・指導・助言
千葉大学教育学部教授 久保 桂子 先生
意思決定と持続可能な社会を一緒に扱うための工夫について説明があった。また,フェアトレードのTシャツを選んだ生徒が多く,人数に偏りが出てしまった部分については工夫が必要との助言があった。
千葉市教育委員会指導課指導主事 田村 真理 先生
指導計画と本研究との関連について説明があった。また,企業名やブランド名については扱いに十分注意 するようにというご指導があった。
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提案発表
・提案@ 「『生活に生かす力』を育む授業の工夫 〜ストーリー性のある授業展開の中で,家族や友人との関わりを通し,消費者としての自覚を高めよう〜」
(新潟県 新潟市立五十嵐中学校 芳賀 志津子 教諭)
「(家族で使う)冷蔵庫」を題材とし,家族や友人と関わる中で,ものの価値観や消費生活に対する考え方を交流させ,自らの生活をより良くしていこうとする「生活に生かす力」を育てるための授業について提案があった。
・提案A「未来社会を展望し,生活を創る力を育てる技術・家庭科教育 ―主体的に意思決定する能力の育成をめざして―」
(山梨県 笛吹市立浅川中学校 波羅 美智子 教諭)
実践的・体験的な学習活動や言語活動の充実を図ることで,生徒が主体的に意思決定し
消費生活を実践していく授業実践が提案された。
研究協議
題材を「冷蔵庫」に決める前に,他の題材も扱ったかどうかについて質問があった。
指導助言
・新潟市教育委員会学校支援課指導主事 齊藤 裕子 先生
「D 身近な消費生活と環境」の内容・目標について,並びに今後の研究の方向性についての助言があった。
・山梨県教育委員会義務教育課指導主事 清水 弘美 先生
題材の選び方の違いや山梨県の研究の取り組みについてお話いただいた。