題材例(応援団支部

千葉県環境学習アドバイザーによる授業実践

題材名  「わたしたちの消費生活」
        ―生活のくふうでごみを減らそうー
        ―環境に配慮した選択―


授業の流れ
  1.水の汚れ具合を調べる。洗剤の使い方、適量とは?
  2.廃油を利用して石けんをつくろう。(合同学習)
  3.私たち消費者にできることは何だろう。
     ゴミ問題の実情と減らす実践(各自)
     CO2排出量を減らすためのエネルギー節約(各自)
  4.グリーンコンシュ−マーになれるか(意識調査)

* 流れの(2) 自分たちが生活していく中で、ゴミを分別して、それを再利用する、一つの方法として廃油石けんを取り上げた。

技術・家庭科  学年合同授業

講師:  千葉県環境学習アドバイザー  中岡 丈恵先生
     専門分野: 水、大気環境
     就任委員など:リサイクルせっけん協会幹事(認定指導者の養成)
            NPOせっけんの街理事
            リサイクルせっけん協会関東事務局長

目的: (1)せっけんづくりのベテランの先生に来校してもらい、普段の授業では実践できない授業を実施し、授業の幅を広げたい。
    (2)環境保全のために活動している人たちの存在を知り、生徒自身の環境保全に対しての知識や意識を高めたい。

本時の指導
(1) 河川敷横の水路の水や水道水を調べ、汚れ具合を知る。
(2) 廃油を利用して、環境によいせっけんをつくる。
(3) 自分たちの生活を、どのように改善していけば環境保全に役立てるか、意見が言える。

実践

講師の中岡先生 水質検査をしているところ
体育館にて1学年生徒の前で

 

廃油から石けんをつくっていく様子
@廃油1Lとカセイソーダ(150gと水600cc) A油を加熱しながら、カセイソーダを少しずついれていく
Bかき混ぜていくとどろどろしてくる C牛乳パックに小分けする
21日たつとphが下がり、せっけんとして使える

 生徒の感想
・初めて、せっけんを作って、石けんってこうやって作るのだなあとわかりました。さらに、石けんを作るのは危ないことでもあるのだなあと思いました。
・最初に先生がやってくれた「ミミズ」の実験では、元気だったみみずがだんだん縮んで元気がなくなっていってびっくり出巣。今度から気をつけてやろうと思います。石けんづくりでは、廃油1が、害のない「石けん」に変わるのがびっくりしました。其れと同時に「リサイクル」をする大変さがよくわかりました。先生の話や実験をしてみて、驚いたと同時に、私の生活がいかに反省する所が多いか思い知らされました。「いらなくなったもの」をなるべくださないよう、もし出したら大変でも再利用するように心がけようと思いました。「生分解」できるようなものを生活の中で作って、使いたいと思います。
・たった1Lの廃油で石けんができるなんてびっくりした。泡を立てるのが大変だった。この学習を通してリサイクルの大切さを知った。
・リサイクルの仕方の一つがわかってよかった。これで少しでも環境がよくなったらいいな。
・21日が待ち遠しい。早く使ってみたい。どんな石けんになるか待ち遠しい。
・はじめ、みみずが歯磨き粉の量によってだんだん弱っていくのを見て、普段の生活ひとつひとつにももっと害を及ぼしているものがあるのかと思った。「廃油から石けん」という言葉はまさにそのとおりで、だんだん変化していく様子が目の当たりでみられたのがよかった。
・初めて石券を作りました。とても大変だったけどとてもよい石けんができたと思います。リサイクルをするというのは決して簡単なことではないということがよくわかりました。これからはできるだけゴミを出さないように努力したいです。

21日たってできた石けん
  牛乳パック底のあとがついて固まった。
  色がこげ茶色からだいぶ白くなった。
  * 日数が経つともっと白くなる。
    おろし金でおろし、粉を60.Cのぬるま湯
    で暖めなおすと化粧石けんのようにやわらか
    い石けんができる。

「手作り石けんを使って、洗濯をしてみよう。」の体験レポートより  (手作り石けんを使って、くつ下を実際に洗う体験をしてもらった。)
生徒の「やってみて」の感想
・ 市販の石けんと変わらなかった。まだ、少し油くさいようだったけれど汚れはきれいに落ちた。
・ 水をつけると、ぬるぬるした。あわ立ちもとてもよかった。普通は、3〜4回すすぎをしなくてはいけないけれど、1〜2回すすぐだけで泡も落ちた。くつ下もとてもきれいになった。
・ 少し、泡が出てきて、汚れた部分をこすると、よく汚れが落ちてすごくきれいになった。こんなによくできてよかったなあと思いました。環境にも優しい石けんなので今度からはできるだけ自分で洗濯しようと思いました。
・ 茶色っぽい泡が立つのかなと思ったが白い泡が立ってびっくりした。あわ立ちはやはり合成洗剤より少なかったが、汚れの落ち具合は合成洗剤と同じくらいよく落ちた。石けんのにおいは思ったほど油のにおいはせずくさくはなかった。油汚れの落ち具合は動なのか、今度試してみたいと思った。

保護者からの一言
・ 初めて使ってみましたが、油汚れに強くて驚きました。Yシャツの襟の汚れは市販品よりよく落ちました。換気扇の掃除にも使いましたが、よく落ちてすすぐのも、簡単でした。
・ 昔、田舎のおばあちゃんが使っていたのを思い出し、とても懐かしく思いました。きめが細かく、泡立ちがとてもよく、汚れが落ちていました。
・ 廃油から石けんができるという発見、それを自分で作ったという感動、そしてその石けんで洗濯するという、すべて初めての体験でとても新鮮だったと思います。今回の特別授業はとてもよかったと思います。
・ 使用した油で石けんを作るというのはよいことだと思います。これからものを大切にして、生活に生かせるものを作り、使っていって欲しいと思いました。
・ できあがった石けんを見て、「これで、落ちるの?」とちょっと疑問に思いましたが、洗ったあとの様子をみて、びっくりしました。思った以上に、白くなっていて、手作り石けんもなかなかのものですね。
・ 貴重な体験ができ、環境について考えるチャンスと思いました。この授業で得たことを家庭生活において、発展させてくれたらと思います。「資源を大切にすることなど!」先日は興味深い内容の授業参観ありがとうございました。