授業実践
(1) 題材名     わたしたちと衣服

(2) 題材について
   衣服には、活動に合うように、いろいろな布地や形があることに気づき、そして、 衣服の
 はたらきや着方がわかり、自分で衣服を整えられるようになるのが本題材のねらいである。
  また、自分の衣服を利用しやすく整理し、手入れの方法を調べ、その一つとしてボタンつけ
 もできるようにする。そのために、裁縫用具を使って玉結びや玉どめ、名前の縫いとりなどの
 手縫いの基礎的な技能を身に付けさせ、子ども達の興味にそって小物を作る喜びや生活に
 役立てる楽しみを味わえるようにするとある。
  早く何かを作りたい子ども達は、衣服のはたらきや着方については、おろそかになりやす
 いのでお互いをモデルにするなどして興味の持続を図りたい。

(3) ねらい
 ・衣服には活動に合うように、いろいろな布地や形のあることに気づくようにする。
                                        (関心意欲)
 ・衣服のはたらきを考え、目的に合った衣服の着方をくふうすることができるようにする。
                                        (創意工夫・知識理解)
 ・次に着るための衣服の整理と手入れのしかたがわかり、くふうして実践できるようにす
  る。                                    (創工・技能・知理)
 ・裁縫用具を使って玉結び、玉どめ、ボタンつけ、なみ縫いなどができるようにする。
                                        (関意・技・知理)
 ・身近にある材料を利用して、小物を作る喜びや生活に役立てる楽しみを味わえるように
  する。                                  (関意・創工・技・知理)

(4) 学習の流れ              9時間扱い
 ○どんな衣服を着ているだろう。→1
 ○衣服のはたらきや着方を考えよう。→1
 ○衣服を整えよう。→3    
      ・用具の扱い
      ・名前の縫いとり
      ・ボタンつけ・・・・・・・・本時
 ○オリジナル小物を作ろう。→4

(5) 本時の学習
@目標
 ・ぬいぐるみにボタンをつけ、カーテンタッセル(カーテンどめ)を作る。
                                     (関心意欲・技能・知識理解)
A展開      5/9
  ボタンの種類      
◆ボタンを確認する。
☆自分が持ってきたボタンを確認させる。
◎確認できたか。
ボタンの分類別 ボタン
穴の形
態から
役割か
とめ、飾り、とめと飾りの兼用
力ボタン(うらとめボタン)
材料か
金属、貝、骨、角、皮、プラスチック、木、布、真珠など
                        
 ボタンのつけかた
◆ボタンのつけかたを 
  調べる。

☆糸が抜けないように、 2本どりにさせる。

◎つけかたを理解した
  か。
 @つける位置に針を出し、ボタンの   穴に通す。 A布の厚さの分だけうかして、3〜4
  回糸をかける。
Bボタンと布の間に針を出す。
◆ボタンをつける。

☆ぬいぐるみの手の甲  につけさせる。

◎甲につけたか。
いろいろなボタンのつけ方

Cボタンと布の間に糸を3〜4回かた
  くまく。
D針をうらに出し玉どめをする。



                                   ◆ゴムを縫い付ける。
                                   ☆強くするために、3〜4回縫い付けさせる。
                                   ◎強く縫えたか

 ◆みんなの作品を見る。   ☆丈夫に縫えているか見させる。   ◎良いところが見つけられたか。

(6)成果と今後の課題
成果
 できた!という達成感を味わえるようにすることを心がけたところ、児童の作ってみたいという意欲を引き出すことができた。
 玉止め・玉結びの練習を楽しくしようとアジサイの花びらにしたところ、玉結び・玉どめを何十個も作り名人になった子。名前の縫い取りをした名札にビーズを飾って自分らしさを出だした子。ぬいぐるみのカーテンタッセルは、完成してカーテンをとめてみて改めて「かわいい。」と歓声が上がった。一人で何個も作ったので教室のカーテンにぬいぐるみが重そうに抱きついていた。そのどれもが一番かわいいのは私と言っていた。
 その後、オリジナル小物を作ろうでは、自分の持っている力でできるだろうと思われる物をデザインしてから作った。4時間という、時間の中で、それぞれが個性を発揮し同じ物は一つもなかった。フェルトのマスコットは今、子ども達のカバンやペンケースに付けられている。
 授業後、家族のためにその力を発揮した子ども達も多い。そこには家族からの励ましの言葉が大きな力となっていた。家庭学習でもまた夏休みの課題として作品作りに取り組んだことは言うまでもない。
 家庭科の学習は、今一緒にスタートしたばかりなので個人差が他の教科より少ない。そのため仲間の存在も大きい。お互いに見つけたコツを教え合ったり、上手なところを認め合ったりすることで自信を付けていくことになる。

課題
 何かを作りたいと思っても技能が身についていなければその思いはかなわない。基礎・基本の定着は、時間がかかるが機会を捉えて繰り返すことが一番の近道だ。その時間を学校で、家庭でどのようにしてつくりだすかが、今まで以上に難しくなる。
 そのために、教材の開発が求められている。生活に生かせて、できれば知らず知らずのうちに、技能が身につく物はないかと、教える側の私たちが興味を失わないようにしなければならない。


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