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1.研究主題

 家庭生活をよりよくする実践力をどのように育むか
    地域、家庭と連携して    
 
2.研究主題について(主題設定の理由)
(1)家庭科のねらいから
    学習指導要領の家庭科の目標は以下の通りである。




 

 衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して、家庭生活への関心を高めるとともに日常生活に必要な基礎的な知識と技能を身に付け、家族の一員として生活を工夫しようとする実践的な態度を育てる。
 
    「実践力」とは、実際に行う力である。よりよい生活の実現のためには、自分の家庭   生活の課題を見い出し、身に付けた知識や技能などを生かして解決しようと工夫し主体   的に生活する力が不可欠と考えた。これは、県教研家庭科分科会の研究主題にある「生   きる力」の育成につながる。「実践力」を育むことは「生きる力」を育成することであ   る。そこで、児童に「実践力」を身に付けさせたいと願い、本主題を設定した。
(2)印旛地区教育研究会技術・家庭科研究部の研究主題から


 

確かな知識と技術を身につけ、自ら課題を解決していく力を育む学習指導のあり方
 
    現代の子どもたちを取りまく生活環境は、科学の進歩と共に、大変便利なものになっ   てきている。しかし、子どもたちが物を作ったり、修繕したりするという生活体験は少   なくなってきており、材料に関する知識や道具の使い方・技術等が劣ってきている。
    そのような実態の子どもに「生きる力」を身に付けさせるため、研究部では生活に必   要な基礎的・基本的な知識や技術の定着を図るために、それぞれの分野におけるねらい   を明らかにし、実態に応じた学習指導を工夫していくことが大切と考えた。
    自ら課題を見い出し、自ら解決する力、これこそが実践力である。
    やはり、実践力を育むことが大切であり、本主題と同義である。
(3)地域の実態から
    印西市、本埜村は、広大な草原の開発が進み、北総開発鉄道を中心に住宅地が広がり   つつある地域である。新興住宅地が多いため、他の地域からの転入者が多く、地域の関   わりは希薄である。しかし、一歩奧に入れば、自然に恵まれ、地域で栽培される農作物   も多い地域である。
    家庭生活は家族との関係だけではなく、近隣の人々とかかわることでより豊かになる。   そこで、家庭・地域との連携を図り、児童が身に付けた知識と技能などを日常生活で活   用できるようにしたいと考えた。
    以上のようなことから、上記主題を設定した。
 
3.研究仮説

  仮説1

 

 地域の素材や人材を効果的に取り入れ、地域に根ざした学習をしていけば、家庭生活をよりよくしていこうとする意欲が高まるだろう。
 

  仮説2

 

 実践的、体験的な学習を取り入れ、より確実な知識や技能が身に付けば、それらを活用して家庭での実践力が高まるだろう。
 

  仮説3

 

 家庭科便りやチャレンジカードなどで、家庭との連携を図れば、児童が身に付けた知識や技能を実際の生活の場で生かせるようになるだろう。
 
4.仮説について
  仮説1 実践力を高めるためには、家庭生活をよりよくしていこうとする意欲を持たせな     ければならない。意欲は、家族や地域とのかかわりを考えて実践する喜びを味わう     ことによって生まれる。つまり、家族、地域のために役立ちたいと自ら考え、実践     したことが受け入れられ、評価されたときに楽しさと充実感を味わえる。
      そこで、家庭や地域とのかかわりを深めれば、意欲が増し実践力が高まると考え     た。
      家庭や地域とかかわりを深めるために、地域の特産物を教材に活用したり、地域     の人々にゲストティーチャーになっていただいたりしたい。
      自然に恵まれた地域の素材を教材化することで、地域に根ざした家庭科の学習を     目指していきたい。また、地域の人々と交流することによって、児童が自分は地域     の中の一人であるという自覚を持たせたい。
      そうすることによって、家庭生活をよりよくしていこうとする意欲がたかまるで     あろう。
  仮説2 実践力を高めるためには、基礎的な知識や技能が身に付いている必要がある。
      知識、技能を身に付けるためには、実践的・体験的な学習を重視しなければなら     ない。実践的な学習とは、製作や調理など実習や調査である。体験的な学習とは、     目的をもって、学習対象を観察する、触れる、聴く、味わうことなどを通した直接     体験である。学習の幅を広げ、より確実な知識や技能を身に付ければ、それらを活     用して、家庭での実践が無理なく行われると考えた。
      また、自分にもできたことで活用する自信がもて、生活に生かそうとする意欲が     高まる。
      実践力を高めるには、まず、基礎的な知識や技能を身に付けさせたい。
  仮説3 家庭科の時間は限られており、日常生活とつなげることが重要と考える。
      なぜならば、家庭科で学習する知識と技能などは、繰り返して学習したり、日常     生活で活用したりして一層身に付けることができるからである。    
      そのため、家庭と連携する必要がある。
      子どもの家庭科学習の様子を家庭に伝え、保護者の理解と協力を得られるように     するために家庭科便りを活用したい。
      また、児童自身の家庭科に対する関心、意欲を高め、学習に対する見通しを持た     せるためにも家庭科便りを活用したい。
      チャレンジカードは、家庭での実践の意欲づけとし、保護者からも感想をいただ     くことで、児童の自信や意欲につながるようにしたい。
      このように、積極的に家庭との連携を図れば、学校で学習したことを、一人ひと     りの家庭生活に生かし、継続的に実践できるようになるであろう。
5.研究の内容と方法



 

実践A 第5学年 「身の回りを気持ちよく」 
実践B 第6学年 「スペシャル朝食を作ろう」
 
(1)仮説1の検証
  @地域の素材の教材化 ア バラッパまんじゅう(報告会)            A
             イ 自分の家の畑の野菜をゆでよう            B
             ウ 発展 郷土料理太巻き寿司を作ろう          B
  A地域の人材の活用  ア 野菜をゆでよう    児童の祖母2名          B
             イ 朝食のメニュー作り 栄養士さん           B             ウ 太巻き作り     生活改善グループの方4名 
                          村役場産業新興課の方1名                              児童の母      1名    B
(2)仮説2の検証
  @実践的な活動    ア クリーン大作戦                   A
             イ 調理実習 ・野菜をゆでよう             B
                    ・スペシャル朝食を作ろう         B
                    ・発展 太巻き寿司作り          B
                    ・麦茶と白玉団子を作ろう(お礼の会)   B
             ウ 製作 ・お礼のプレゼントを作ろう          B
  A体験的な活動    ア 調査 材料の買い方、選び方(インターネット)    B
             イ 実験 卵をゆでてみよう               B
                  野菜をいためてみよう             B
             ウ 伝授 3年生に青菜のゆで方を教えよう        B
             エ 交流 お礼の会を開こう(茶話会)          B
(3)仮説3の検証
  @家庭科便り                                 B
  Aチャレンジカード                              A
  B家庭科プリント                               B