技術・家庭科学習指導案
1 題材名
・技術分野「技術とものづくり」 製品の設計(製図)
2 題材について
(1)題材観
平成14年度より完全実施となった今回の学習指導要領の改定で,中学校3年間の技術・家庭科における学習時間はさらに削減された。これに伴い,学習内容も大幅に削減され,これまであった専門的な領域(○○加工や電気・機械・栽培等)は「技術とものづくり(以下,ものづくり)」と「情報とコンピュータ(以下,情報)」に統合され,指導方法も系統的で効率的な指導をすることが強調されている。しかし,今までのように基礎的な技術を反復して身に付けるための時間や,情報やコンピュータに割り当てられる学習時間の大幅な拡大による,技術を実践的・体験的な活動を通して習得できる学習時間の減少は,授業時数の削減よりも大きなものと思われる。
技術分野では,いかに工夫して「ものづくり」と「情報」の2つの相反する課題を総合・連携して,「実践的・体験的な学習活動の時間」を増やし,指導してゆくかが重要であると考えられる。
本題材では,「情報B(3):コンピュータの利用」と「ものづくりA(2):製品の設計」を相乗りさせCAD(計算機支援設計:コンピュータを利用した製品の設計)を利用した。「木製品の設計」を取り上げた。
CADでの製品の設計は,今日では大企業の製図室から町の工務店,自宅を設計しようとする一般家庭でも使用されており,「コンピュータ」と「ものづくり」を結びつける代表的な手法であるといえる。また,前課程までは,製図板やT定規を使用して製図を行うような「製図のかき方」的な内容が主であったが,現課程では「図をかくことより,製作品の構造や構成部材の形状,寸法などを的確に判断できる」を重視している。このことから,コンピュータの支援(精確な「直線引き」や「自動寸法機能」など)を利用することにより,製図のルールや読み取る力を早く身に付けることができると考えられる。また,これまでは「うまくかけない」事による製図嫌いや意欲の低下も見られたが,だれしもがプリンタより出力されるきれいに仕上がった製図を手にする事が出来,達成感も大きいと考えられる。
(2)生徒の実態(在籍 男子16名,女子18名,計34名)
本学級は全体的に明るく前向きで,一人では思うように作業を進めることのできない生徒にも進んで協力し,作業に取り組む雰囲気がある。反面,作業に集中できない生徒が出た場合など,抑制する雰囲気が弱く,同調してしまう傾向もある。
@事前調査及び考察
「情報とコンピュータ」関係
1)コンピュータ所有率 2)インターネット使用率
(コンピュータ以外も含む)
3)コンピュータ日本語入力について
回答
設問1「ローマ字入力でバッチリ」 28人
設問2「ローマ字対応表を見ながら何とか」 6 人
設問3「ローマ字はさっぱり,かな入力ならバッチリ」 0 人
設問4「ローマ字はさっぱり,かな入力も探しながら」 0 人
設問5「全くコンピュータに入力できない」 0 人
4)コンピュータがある生徒で,家庭で全く操作することのない生徒
21人中 1名
考 察
A町の小学校各3校には,学級で一斉授業ができるコンピュータ室と各教室及び特別教室にインターネットのできる無線ノート端末が整備されている。設備的に大変恵まれた環境でコンピュータの基本操作について学んでこれたことと思われる。また,小中各校の情報指導者担当者会議を開き,小学校ではローマ字入力で共通した指導を行い,学校毎の学習進度の開きが出ないように外部講師を依頼するなどしている。そのためか,入学当初から日本語入力については,再確認とプロッセッサの違いについて確認する程度で,入力作業やインターネット検索など,操作だけならば特に指導せずとも行える。
家庭へのコンピュータの普及も進み,6割を超える家庭でコンピュータを所有し,子供達も自由に利用していることがわかる。インターネットの使用では,毎日1〜2時間は使用している生徒もいる。また,インターネットを利用するツールとして,コンピュータだけでなく携帯電話の利用も進んできている。
「技術とものづくり」関係
1)小学校で何をつくったか?
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オルゴール,掲示板,エプロン,小型リュック,
火おこし棒,ハンガー,貯金箱,スライム等 |
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2)家庭で何かつくったことがあるか? 全くない 11名
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プラスチックモデル,ミニ四駆,ポスト,竹馬,
竹とんぼ,バッティング練習機,舟,
弓,ミニチュアの家,カバン,クッション,人形等 |
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3)自分で用意できる,「素材・材料」で思いつく物?
考 察
A中学校学区は,水田や畑が広がる農業地帯でもあり,孟宗竹(もうそうちく)や篠竹なども簡単に入手でき,市販のプラスチックモデルのような模型以外でも昔ながらの「ものづくり」を体験して育ってきた生徒も多く。また,女子でも裁縫や小物づくりなどを趣味にしている生徒がいる。しかし,学校活動以外で全くものづくりをしたことがない(つくった物が思いつかない)生徒が11人もおり,遊びや生活の中で「ものづくり」や「創造」「工夫」を体験できる機会の乏しさが考えられる。
3 題材の目標
(1)設備や工具を大切に扱い,よりよい製品を作れるように,作業に取り組むことができる。[関心・意欲・態度]
(2)使用目的に適した自分なりの製品を構想し,それを形にする方法を考察できる。 [創意工夫]
(3)コンピュータ・製図用具・木工具・木工機械など様々な道具を使い,
製図・製作作業を安全に行うことができる。 [技能]
(4)材料の性質・役割,資源と環境保全の関係を理解し,製品や工具の正しい使用法理解することができる。 [知識・理解]
4 指導計画
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単 元 |
内容 |
時配 |
学習活動・内容 |
評価の観点 |
1ソフトウェアについ て調べてみよう
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B(2)
B(3)
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1
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・基本ソフトウェアと応用ソフトウェアの働き,違いを調べる。
・ソフトウェア(CAD)の用途を調べ,まとめる。
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・生活の中で,コンピュータでやりたいことが考えられるか(工)・解説のwebページが読めるか(技)・簡単な図形が描けるか(技・知) |
1つくりたい製品をき めよう
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A (2)
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1
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・身の回りにあったらいいなと思うものをたくさんスケッチしていく。
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・自宅の使用条件を考慮し,整理に必要な製品が
考えられるか(工・知) |
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単 元 |
内容 |
時配 |
学習活動・内容 |
評価の観点 |
2丈夫で,使いやすい 製品を考えよう
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A(2)
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1
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・製品の機能をまとめる。
・丈夫な構造を調べてまとめる。
・製品の構造をきめる。
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・進んで製品のアイデアをだそうとしているか(関)(工)
・材料によって構造が異なり丈夫にする方法が異なる
ことを理解できるか(知) |
3製品に適した材料を 選ぼう
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A(2)
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1
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・木材,金属,プラスチックの 特徴を調べ る。
・製品に適した材料を選択する。 |
・材料の特徴を理解し製品に適した材料を選ぶことが出来るか(知) |
4製図
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A(2)
B(2)
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15
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・CADを利用し,見本の
製図をかく。
・投影図,構想図,部品図,組み立て 図,3Dシミュレーション等画面毎 の関係を理解する。
・設計テンプレートを元に,使用でき る材料,丈夫な構造を考えながら, 自分の製品を設計する。
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・部品をかき組み立てシミュレーションを行う(関)(技)・ソフトウェアの働きを理解する(知)・図法と種類を理解する(知)
・使用できる材料の大きさや種類が理解でき記述できるか(技)(知)・自分だけの製品を創造できる
か(工) |
5製品の構想をまとめ, 図に表そう
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A(2)
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・最終的な構想の検討をする。
・部品図,組立て図を印刷,木取り 図をかき問題点を探し修正をする。 |
・問題点を整理し,修正できるか(技)
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5 本時の指導(17/19)
(1)目標
1)自分の思いや願いの実現のためにコンピュータを効果的に利用しようとする。 [関心意欲態度]
2)使用目的に適した自分なりの製品を構想し,それを形にする方法を考察できる。[創意工夫]
3)CADの製図を元に,構造や加工手順を考慮した木取り図がかける。 [創意工夫][技能]
4)構想を図に表す図法を理解し,読みとることができる。 [知識・理解]
(2)展開
過程目標
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時配
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学習内容と活動
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支援の手だて・留意点
(支援◎ 留意点・ 評価※) |
教具教材
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授業準備
学習内容 の把握
印刷と
製図の修正
製図を
まとめる。
終了手順
自己評価
次時の予告
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5
5
20
12
8
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○ソフトファイルの配布
コンピューターの起動
ソフトウェアの起動
○学習内容を確認する。 |
◎機器の起動動作確認
・学習内容を確認するまで作業を はじめさせない。
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CD-ROM
ワーク
ファイル
ワーク
コンピュータプリンタ
定規
教科書
ワーク
定規
CDケース
ファイル
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製品を図にしてみよう(製図のまとめ)
−製図を完成・印刷し,木取り図を作成しまとめる− |
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○印刷する前に,印刷してもよい条 件を理解する。
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・未完成者が,むやみに印刷しな いように注意する。
・使用するプリンタの指定,印刷 不良を出さないための手段を知 らせる。
◎印刷手順を机間支援する。
※印刷ができるか。
◎木取り図について,教科書の図 を元に「切り代・削り代」に気 づかせる。
※木取り図がかけたか。
・繊維方向を,考慮しない生徒に は,それを知らせる。
◎組立て図の印刷が終了した生 徒に,未完成者への協力をうな がす。
※協力する姿勢がみられたか。
◎使用条件や丈夫にする工夫のか
けない生徒に支援。
・等角図には,必ず定規を使用さ せる。
・ソフトウェアの終了→CD-ROMの 取り出し→電源の終了の順を守 らせる。
※自己評価の記入ができるか。
※協力者の記名
・次時の予告をする。
※次時の学習内容が把握できた か。
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○作業手順 部品図の仕上 |
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印刷 修正 |
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木取り図
チェック
組立て図
印刷 協力
○ワークに製図をまとめ,ものづくりカードを完成させる。
・構想を書き出す。
・等角図でイメージをかき出す。
○ファイルを保存し,コンピュータ を終了。
○自己評価の記入。
○次時の学習内容を知る。
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