技術・家庭科  学習指導案
 
                                         
                                           
1.題材名 生活の自立と衣食住(日常着の手入れをする)
 
2.題材について
 ・題材観  今日の社会の急激な変化により、家庭生活は質的に大きな影響を受けている。例えば我が国      の著しい経済成長やサービス産業の発達などによる産業構造の変化は、都市化や核家族の進行、      女性の社会進出、少子化、家事労働の減少等をもたらしている。また、塾通いの増加などによ      り生徒の生活にはゆとりがなくなり、家庭の中での生活体験の場が少なくなったり、家族のふ      れあいや相互理解が希薄になっている傾向にある。そこで、特に「生活の自立と衣食住」の領      域の学習においては、家族に目を向け、家庭における自分の立場や役割を見直し、具体的な実      践ができるようにすることが大切であると思われる。
       本主題は「生活の自立と衣食住」の中の衣服の選択と手入れの学習である。ここでは、日常      の衣服を整えることが出来るようにするため、衣服の選択、着用、手入れに関する基礎的な知      識と技術を習得させることをねらいとしている。衣服を快適に着用するためには、洗濯、しみ      抜きなどの手入れや補修が必要であることに気付かせ、衣服材料や汚れの度合いに応じた手入      れと適切な補修が出来るようにしたい。本時はしみ抜きの実習であるが、洗濯頻度の少ない衣      服には、ブラシかけやしみ抜きが有効であることを理解させ、手順や方法を考えて実践できる      ようにさせたい。そして、この実習から家庭での実践へとつなげて欲しいと考えるものである。                  
 ・生徒の実態
     明るく積極的に発言する生徒が多く、家庭科の学習に興味をもって取り組んでいる。家庭での衣   服の手入れ(洗濯)の実践は、自分でやっている生徒は少なくほとんどの生徒は母親や祖母任せであ   る。(ユニフォーム・靴下など特に汚れのひどいものは時々自分で洗う生徒もいる)
   本時の学習のしみ抜きの調査では、ほとんどの生徒がしょうゆをはじめいろいろなしみをつけて困っ   た経験をもっているが、「しみをつけた時どうしましたか」という質問には「他の人にやってもらっ   たり、そのままにしてしまった」という答えが多く、自分でしみ抜きをしたという生徒も必ずしも正   しい方法がとられていたとはいえない。しかし、しょうゆ・カレー・墨汁・インクなど日常つきやす   いしみが取れたらいいなという気持ちはある。そこで本時は、生徒が日常つけやすいしみの中から、   水溶性のしみ抜きについてとりあげ、しみ抜きの基本を知らせ、資料を活用しながら実習できるよう   にした。資料の活用に意欲をもって取り組ませ確かな技術を身につけさせたいと考える。
 
      「アンケート結果」
    @ 洗濯の実践                  A つけたしみの種類(複数回答)     
      毎日
      時々
      やらない
  2                 しょうゆ 28     ケチャップ  18
    9              カレー  16     墨汁     21
 
 
  29     ソース  15     インク    23
 
                             血液   18     果汁      25
                             どろ   17
    B しみをつけたときどうしたか                              
      自分で行った
      他の人に頼んだ
      そのままにした
  10
  21
  9
 
    C できるようになりたいしみ抜き
      しょうゆ  19   墨汁  18   カレー  15   ボールペン 12   ガム 5
 
3.題材の目標
   生徒が主体的に生活を営む上で必要とされる衣食住について、その基礎的な知識を習得することを   通して、自分の生活に対する関心を深め、進んで工夫することで生活の自立を図ることをねらいとして  いる。
 
4.指導計画(35時間扱い))
  A3.気持ちよく住む (6)
   1.住まいについて考えよう 2
   2.健康で快適な室内環境を整えよう 4
  A2.自分らしく清潔に着る (10)
   1.日常着の活用 4
   2.日常着の手入れ 4
   3.これからの衣生活 ・日常着の手入れをする(しみ抜き) 1(本時1/2)
              ・(アイロンかけ) 1
  A5.自分で衣服をつくる (13)
  B4.わたしたちの消費生活 (6)
 
5.本時の指導
(1)目 標 ・ふだんつきやすいしみのしみ抜きが正しくできる。
        ・しみ抜きの実習に意欲をもって取り組むことができる。
 
(2)展 開                        ●働きかけと配慮事項  ※評価



































































 

     学  習  活  動

時配

    評 価 と 支 援   

 資 料

1.本時の学習課題を確認する。

 3 
 



  6  






 

  4

   
 

28


























  


  5









  4


 

●しみ抜きの必要性に気づかせ、 本時の学習が意欲的になるよう に励ます。          ※学習目標を確認でき、意欲をも って取り組もうとしているか。           (発表)
●日常つきやすいしみの発表から、 しみの性質により、水に溶けや すい・油を含んでいる・その他 の3つに分けられることに気づ かせる。          
※しみの種類とその性質がわかっ  たか(発表)
●しみ抜きの技能が正しくつかめ るようにポイントをアドバイス する。
●しょうゆのしみ抜きの実習は多 くの生徒が実施したいと思って いるので、最初に自席で班員と 確認しながら行うようにする。

                 
   
●しょうゆのしみ抜きが終わった ら、各自で選択し多くの実習が できるように助言する                 
●A〜Eの実習は説明書を活用す るよう助言する。                      ●しみ抜きが正しく出来ない生徒 には、机間指導で正しい方法を 助言する。                         ●つまづいている生徒には、掲示 物を利用するように助言する。                                              ※各種のしみ抜きが正しく行われ たか、積極的に取り組んだか、 机間指導により確認する。      
                              





●実習の取り組みをほめたり、認  めたりして、自信をもって発  表するよう励ます。           
※実習から気づいたことや感想が まとめられたか、プリントと発 表により確認する。

               

●班で協力して後始末ができるよ うに助言する。

 

学習プリント
しみのついた服



しみの分類














各種しみのついた布地

しみ抜き溶剤用具








各種の実習説明書










学習プリント





















 




 

日常つきやすいしみのしみ抜きはどのようにするのだろう。
 




 
2.日常つきやすいしみの種類とその性質を発表する。
  しょうゆ 墨汁  
 
水に溶けやすいしみ
 
  ジュース 血液
  機械油 ドレッシング
 
油を含んでいるしみ
 
  ボールペン
  墨汁 ガム   その他のしみ

3.水溶性のしみ抜きを確認する。  ・用具              ・しみ抜きの方法(しょうゆ)    

4.しみ抜きの実習をする 

   (共通実習)) 
 しょうゆ(その日vs 1週間)
  ・水をつけた歯ブラシでたたく
  ・洗剤溶液をつけた歯ブラシでた  たく
  ・漂白剤の溶液につける
                     (各自で選択しながら実習)
  A 果汁(しょうゆと同じ手順)
  B ボールペン    
   ・ベンジンを使ってたたき出す   ・中性洗剤液でたきだす
  C カレー
   ・洗剤原液をつけた歯ブラシで   たたく   
  ・漂白剤溶液につける       D ガム       
   ・水で冷やしてつめではがす
   ・ベンジンをつけた歯ブラシで   たたく   
  ・洗剤原液をつけた歯ブラシでた   たく   
  E 墨汁
   ・水につけて軟化させる
   ・ご飯粒と洗剤を練って、裏か   ら塗ってしごきだす  
   ・水洗いする          
5.実習から気づいたことや感想を学 習プリントにまとめ、発表する。
 ・しみは早く取った方がよく落ち   る。  
 ・しみ抜きの方法がわかった。
 ・正しい方法でとれば、しみはとれ  る。 
 ・しみの性質によって、しみ抜きの  仕方がちがう。など               
6.自己評価する。  
   後始末をし、次時の 学習内容を聞く。