技術・家庭科学習指導案
 
 題材名
   食材にこだわる  [家庭分野 A生活の自立と衣食住]    
 
 題材について
(1)題材観   
  様々な食品が市場に出回り,見かけは豊かになった現代の食生活の中で,健康に生き,
 より良い食習慣を持つために,食生活のあり方を見つめ直し,正しい食事のあり方や, 食品の知識を持つことは重要な課題であると思われる。
  教育への関心も強く,多世代で生活している家庭も多いため,本校の生徒は,食事も 家庭できちんととる生徒が多いように思われる。反面,一般的にいわれている中学生と 同様に,部活動・塾通い・勉強と日々多用で,家庭で家族の一員として`食´にかかわ ることが少なく,当然のことながら関心も薄い。家族の食事とは別に,自分の嗜好にあ った物を食べたり,ファーストフードと家庭料理を並べて食卓に出したりと,生徒の要 求に任された食事の形態になっている傾向もある。食べたいものを食べ,栄養のバラン スを考えた食事からはほど遠く,よりよい食生活が健康の保持増進にかかわることはわ かっていても,実践には結びついていない。また,食品についても,消費者が食料の生 産の場面から遠ざかって,原材料や製造の過程に関心がなくなる傾向は強く,そのため に,加工食品の原材料や食品添加物についての関心や知識が不足しており,反対にマス メディアからの情報に,過剰な反応を示したりもする。
  中学生の時期の食事が,その活動や成長を大きく左右することや,将来の健康にも影 響を及ぼすことに気づかせ,調和の取れた食物の摂取,安全な食事,本物の味,望まし い食習慣等を理解し,生命の維持,成長,健康の増進のための食生活のあり方を追求し 学習することの大切さに気づかせ,食生活の見直しや改善に結びつけたいと考える。
  この学習を通し,正しい知識や科学的に思考する力を持つとともに,食生活の現状と 課題を理解し,自分の食生活の問題点に気づき,望ましい食習慣へと改善していく力を 育てたいと考える。
 
(2)生徒の実態  (在籍 男子16 名  女子17 名  計33 名 )  
  この学級の雰囲気は,元気で活発で,個性の強い生徒も多い。また,発表もユニーク なものがある。アンケートの結果を見ると,自分の食生活にさほどの関心もなく,ただ 与えられた食事を食べ,過ごしているといった風にも受け取れる。毎週の家庭科の学習 も,スタート時はやや消極的な傾向にあったが,作業を伴う学習に進むに従い,積極性 も見られてきた。一部ではあるが栄養への関心・食べ物の好き嫌い,特に,野菜嫌いの 自覚や間食の多さを反省する生徒もある。おいしくて簡単な調理のしかたへの関心を持 つ生徒もみられる。
 
 
 学習前のアンケート                  ( 回答   32名 )
 
 
内数字は人数
 
1,あなたの家では,食事作りは主に誰が
  しますか。
2,食事作りの手伝いはどの程度しますか。

 
 ア,父や母
  イ,祖父母
  ウ,兄や姉
  エ,自分
  オ,その他



 
  26



 



 
   ア,ほぼ毎日
   イ,週に1回程度
   ウ,月に1回程度
   エ,夏休み・冬休み等
   オ,しない     



 
  5
 
 
 
 

 



 
  4  10
   0    2
 
   0    6
 
   2    9
 

3,手伝いをしない理由は何ですか。
 

4,食事は,出されたものは全部食べます
   か。
  
 
  ア,部活で時間がない。
  イ,塾・勉強等が忙しい。
  ウ,やってくれる人がいる。
 エ 手伝いを要求されない。
 オ やりたくない


 
  7



 




 
  8    ア,はい
  イ,いいえ
  ウ,その他    


 
 14
 


 


 
  3   16
 
  7    2
 
  7   (食べきれないとき残す)

6,食べることに関するテレビ番組を見ま
   すか。



 
 
5,自分の食生活で気になることはありま
  すか。             
 
  ア,はい
  イ,いいえ

 
  13  
 

 
   ア,よく見る
   イ,あまり見ない

 
   5
 

 

 
  19   27
 
                  
7,5ではいと答えた人は次から選んでく
  ださい。            
 

8,7でアと答えた人は番組名を答えてく
  ださい。

   ・あるある大辞典
   ・回復スパスパ人間学
   ・ひとりでできるもん

9,その番組からどんなことを知りまし
   たか。

   ・体に良い食品
   ・食品の組み合わせ
   ・食べ過ぎ,栄養剤の取りすぎによる
   病気

11,健康と食事について考えていることを
   書いてください。
   
   ・特になし
   ・バランスよく食べる
   ・健康につながるので考えて食べるべ    き
   ・朝食は大切
   ・野菜ジュースを飲む
   ・好き嫌いをしない
   ・やすくておいしく食べるには?
   ・油脂を多く取らない
   ・パンよりご飯が腹持ちがよい
   ・嫌いな物の食べ方












 
  ア,食べ物の好き嫌い
  イ,間食が多い
  ウ,野菜嫌い
  エ,朝食を食べない
  オ,食べ過ぎ
  カ,栄養のかたより
  キ,食事時間が不規則
  ク,その他







 
   7  
 
 
 
 
 
 
 







 
   5
   4
   1
   0
   8
   0
   0
                  



10,食物の学習ではどんなことを知りた
  すか。
  
  ・特になし
  ・食物に含まれる栄養
  ・バランスの良い食べ方
  ・食品に適した調理法
  ・食べる分量
  ・果物が嫌い,補う食品は?
  ・簡単な調理法
 ・おいしく,体に良い食品は?

  
   ※無回答,複数回答がある
 
 題材の目標



















 
  観    点     到      達      目      標
関心・意欲・態度



 
・身近な食品に関心を持ち,用途に応じて選択できる。
・食品表示について関心を持ち,情報を理解し,用途に応じて 食品を適切に選択できる。
・日常食の調理に関心を持ち,技術を習得しようとする意欲を 見ることができる。
工夫し創造する能力
 
・自分の食生活に関心を持ち,自分なりに改善しようと工夫で きる。
生活の技能






 
・生鮮食品の特徴を理解し,用途に応じて適切に選択すること ができる。
・食品添加物の種類や使用目的について知り,消費者として適 切な知識を持って食品の選択ができる。
・安全と衛生とに留意し,食品や調理器具などの適切な取り扱 いができる。                
・洗う・切る・加熱する・調味する等の基本的な調理操作がで きる。
知識・理解


 
・生鮮食品の特徴を理解し,用途に応じた選択のし方が理解で きる。
・食品添加物の種類や使用目的,安全性と問題点などの知識を 持って食品の選択ができる。
 
 
 指導計画( 13時間扱い)


































 
時配   学 習 活 動    評   価   基   準 評価方法等





 
○生鮮食品について知 ろう



 
・身近な食品に関心を持ち,用途に応じて 適切に選択しようとしている。  (関)・生鮮食品を適切に選択することができ  る。              (技)
・生鮮食品の特徴をふまえ,選択の仕方・ 部位による活用の仕方がわかる。 (知)
・発表
・観察



 







 
○表示から加工食品を 知ろう





 
・食品添加物について関心を持ち適切な食 品を選択しようとする態度を養う。(関)
・加工食品の品質表示を読みとることがで きる。             (技)
・加工食品の適切な選択ができる。 (技)
・食品添加物の安全性と問題点が理解でき る。              (知)
 
・発表
・観察
・ワークシート



 
10


















 
○どんなものをつくり たいですか

○魚を料理しよう

○野菜を料理しよう

○肉を料理しよう











 
・日常食の調理に関心を示している。(関)
・簡単な日常食をイメージできる。 (知)

・日常食の調理に関心を示し,調理技術を 習得しようとしている。     (関)
・食生活の安全と衛生に関心を示し,調理 実習で実践しようとしている。  (関)
・肉の種類や調理の目的に合った加熱方法 を理解し,調理実習に意欲的に取り組も うとしている。         (関)
・材料の切り方,調味,材料の扱い,盛り つけ方など工夫したり,自分なりの方法 を考えている。         (工)
・洗う・切る・加熱する・調味するなどの 基本的な調理操作ができる。   (技)
・食品や調理器具を適切に取り扱うことが できる。            (技)
・食品の調理上の性質について理解してい る。              (知)
 





・観察
・実技テスト
・ノート点検
・調理計画表









 
 
 
5 本時の指導計画 ( 3 / 13 )
  (1)題材 表示から加工食品を知ろう
 
  (2)本時の目標
   〈 関心・意欲・態度 〉  食品の表示に関心を持つことができる。
   〈 技能 〉        品質表示の見方を理解することができる。
   〈 知識・理解 〉     食品の加工が理解でき,適切な選択ができる。
 
  (3)展開




















































 

   学習内容と活動

時配

  支援(○)と評価(※)

 準備等

・前時に学習した食品の表示や添 加物について確認する。

・本時の学習課題を確認する。

 






 

※前時の学習が,理解できている か確認する。

○班ごとに材料が準備されている
 か点検する。
 




食品のパッケージ




ワークシート






































 
    パッケージを見てこんなことがわかる!  

・食品のパッケージの表示を見て 何がわかるか,班ごとに調べる。
    原材料
    添加物の有無
    製造年月日
    安全性

・わかったことを発表し合う。




・なぜ加工された食品が多いのか か。
   保存性が高い
   味の向上
   便利

・加工食品を選ぶときのポイント は何か。













・身近な加工食品を考えよう。

・本時の学習のまとめ



・後かたづけをする。

 

20











10





10






















 

○実際に食品のパッケージを見て 表示されている内容を確認する。
※協力して意欲的に作業に取り組 めているか。  (関・意・態)
○似た商品は,表示の違いを比較 させる。

○身近な食品の情報を共有する。
※生鮮食品との違いが比較でき, 表示内容が正しく読みとれたか。
             (技能)

○食品加工の原点に気づかせる。
 漬け物・梅干し・大豆製品・干 物など
○人間の知恵であることの気づか せる。

○加工食品の功罪を理解し,状況
 に応じて利用すればようことに 気づかせる。
 加工のメリット

 
便利さ  価格の安定
保存性の向上

 
 加工のデメリット


 
添加物の危険性
高カロリー  高脂肪
塩分過剰  栄養の偏り


 

※食品の加工方法が理解でき,使 用目的に合わせて選べるか。
           (知・理)

○家庭で手軽にできる加工食品, 伝統的な保存食にも気づかせる。
○家庭でも作れる加工食品には, どのようなものがあるか考えプ リントにまとめさせる。



 
  (3)評価
     @ 食品の表示に関心を持つことができたか。
     A 品質表示の見方を理解することができたか。  
     B 食品の加工がわかり,安全な選択の方法が理解できたか。